「個性的で、キビキビ走る楽しい軽自動車が欲しい!」 「初めてのマイカー、せっかくだから運転が面白いクルマを選びたい!」 「MT車に乗りたいけど、維持費は抑えたい…」
そんな悩みを抱えるクルマ好きの学生さんや、運転を楽しみたいと考えているあなたに、ぜひ知ってもらいたい一台がある。それが、ホンダの軽自動車「N-ONE RS」だ。
この記事では、N-ONE RSがどんなクルマなのか、その魅力や気になる点を、専門用語も分かりやすく解説しながら徹底的に掘り下げていく。スペックやレビューはもちろん、学生さんが気になる維持費についても触れていくので、ぜひ最後まで読んで、あなたのクルマ選びの参考にしてほしい。
N-ONE RSってどんな車? 知っておきたい基礎知識

まずはN-ONE RSがどんなクルマなのか、基本的な情報から見ていこう。
N-ONEシリーズの歴史とコンセプト
ホンダのN-ONEは、2012年に初代モデルが登場したハッチバック型の軽自動車だ。そのデザインは、1967年に発売されたホンダ初の市販軽乗用車「N360」をモチーフにしており、レトロでありながら新しさも感じさせる、愛着のわくスタイリングが特徴だ。
Nシリーズ(N-BOX、N-WGN、N-VAN、N-ONE)の一員として、「M・M思想(マン・マキシマム/メカ・ミニマム思想:人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に)」に基づいた広い室内空間と、ホンダならではの走りの良さを両立している。
現行モデルは2020年にフルモデルチェンジされた2代目(JG3/JG4型)で、初代のコンセプトを継承しつつ、プラットフォームを一新し、走行性能や安全性能を大幅に向上させている。
RSグレードの位置づけ:「走りの楽しさ」を追求したスポーティーモデル
今回取り上げる「RS」は、N-ONEのラインナップの中でも特に「走りの楽しさ」を追求したスポーティーグレードだ。RSとは「ロードセーリング」の略で、ホンダのモデルにおいては伝統的にスポーティーな走行性能を持つグレードに与えられる名称である。
N-ONE RSは、力強いターボエンジンを搭載し、専用のサスペンションや内外装パーツが与えられている。そして特筆すべきは、現在の軽自動車市場では希少な存在となった**6速マニュアルトランスミッション(6MT)**が選択できる点だ。もちろん、スムーズな加速が魅力のCVT(無段変速機)も用意されている。
ターゲット層は?
N-ONE RSは、以下のような人々をターゲットにしていると言えるだろう。
- 運転が好きな人:キビキビとしたハンドリングやターボエンジンによる力強い加速、そしてMT車を選べる点で、運転そのものを楽しみたい人に最適だ。
- 個性的な軽自動車が欲しい人:レトロモダンなデザインにスポーティーなアクセントが加わり、他の軽自動車とは一線を画す存在感を放つ。
- MT車に乗りたいが、維持費は抑えたい人:軽自動車なので普通車に比べて税金や保険料が安く、MT車入門としても、ベテランドライバーのセカンドカーとしても魅力的だ。
- 実用性もそこそこ欲しい人:基本は2人乗りメインと考えた方が良いかもしれないが、いざという時には4人乗車も可能で、日常の買い物程度ならこなせる積載性も備えている。
【スペック徹底解説】N-ONE RSの性能を数字で見る

ここでは、N-ONE RS(現行モデル JG3型 FF)の主要なスペックを見ていこう。専門用語についても、分かりやすく解説していく。
N-ONE RS スペック表
主要諸元 | 6MT | CVT |
---|---|---|
全長 | 3,395mm | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm | 1,475mm |
全高 | 1,545mm | 1,545mm |
ホイールベース | 2,520mm | 2,520mm |
車両重量 | 840kg | 860kg |
乗車定員 | 4名 | 4名 |
エンジン型式 | S07B | S07B |
エンジン種類 | 水冷直列3気筒DOHCターボ | 水冷直列3気筒DOHCターボ |
総排気量 | 658cc | 658cc |
最高出力 | 47kW (64PS) / 6,000rpm | 47kW (64PS) / 6,000rpm |
最大トルク | 104N·m (10.6kgf·m) / 2,600rpm | 104N·m (10.6kgf·m) / 2,600rpm |
トランスミッション | 6速マニュアル | 無段変速オートマチック(CVT) |
駆動方式 | FF (前輪駆動) | FF (前輪駆動) |
燃料消費率 (WLTCモード) | 21.0km/L | 21.0km/L |
市街地モード (WLTC-L) | 17.8km/L | 17.6km/L |
郊外モード (WLTC-M) | 22.2km/L | 22.4km/L |
高速道路モード (WLTC-H) | 22.1km/L | 22.0km/L |
タイヤ (前後) | 165/55R15 | 165/55R15 |
最小回転半径 | 4.5m | 4.5m |
サスペンション (前) | マクファーソンストラット式 | マクファーソンストラット式 |
サスペンション (後) | トーションビーム式 | トーションビーム式 |
安全装備 | Honda SENSING (主要機能標準装備) | Honda SENSING (主要機能標準装備) |
新車時車両本体価格 (税込) | 1,999,800円~ (2024年特別仕様車含む) | 1,999,800円~ (2024年特別仕様車含む) |
Google スプレッドシートにエクスポート
※上記は2024年5月現在のメーカー公表値を参考に作成。グレードやオプションにより異なる場合がある。価格は変動する可能性があるため、最新情報は公式サイトで確認してほしい。
スペック項目の優しい解説
クルマのスペック表を見ても、専門用語が多くてよく分からない…という学生さんもいるだろう。ここでは、特に重要な項目をピックアップして解説する。
- 全長・全幅・全高・ホイールベース
- これらはボディの大きさを表す数値だ。軽自動車には規格があり、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下と定められている。N-ONE RSもこの規格に収まっている。
- ホイールベースとは、前輪の中心から後輪の中心までの長さのこと。一般的に、ホイールベースが長いほど直進安定性が増し、室内空間も広くなる傾向がある。N-ONEは軽自動車としては比較的ホイールベースが長く、安定した走りと居住性に貢献していると言えるだろう。
- エンジン種類・排気量・最高出力・最大トルク
- N-ONE RSに搭載されているのは「水冷直列3気筒DOHCターボ」エンジン。
- 水冷:エンジンを水で冷やす方式。
- 直列3気筒:シリンダー(エンジン内で燃料を爆発させる筒)が3本、まっすぐに並んでいる。軽自動車では一般的な形式だ。
- DOHC(ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト):エンジンの吸気・排気バルブを開閉する機構の種類。高性能エンジンによく採用される。
- ターボ:排気ガスの力を利用して圧縮した空気をエンジンに送り込み、排気量以上のパワーを引き出す装置。これにより、660ccという軽自動車の限られた排気量でも力強い加速が得られる。(詳しくは後述の【専門用語解説コーナー】を参照)
- 最高出力(馬力/PS):エンジンの仕事率を表し、主にクルマの最高速度に関係する。N-ONE RSは64PSで、これは軽自動車の自主規制値の上限だ。
- 最大トルク(N·m/kgf·m):エンジンが発生する回転力を表し、主にクルマの加速力や坂道を登る力に関係する。N-ONE RSの最大トルク104N·mは、1リッタークラスの自然吸気エンジンに匹敵する力強さだ。特に2,600rpmという低い回転数で最大トルクを発生するため、街中でも扱いやすい特性と言える。
- N-ONE RSに搭載されているのは「水冷直列3気筒DOHCターボ」エンジン。
- トランスミッション (6MT / CVT)
- 6MT(6速マニュアルトランスミッション):ドライバーがクラッチ操作とシフトレバー操作でギアを切り替える方式。クルマを操る楽しさをダイレクトに味わえるのが魅力だ。N-ONE RSの6MTは、S660という軽オープンスポーツカーで培われた技術が活かされており、シフトフィール(ギアの入り心地)が良いと評判だ。
- CVT(無段変速オートマチック):ギアを持たず、無段階に変速することで常に最適なエンジン回転数を保ち、滑らかな加速と燃費効率の良さを両立する。アクセルとブレーキ操作だけで運転できるため、AT限定免許でも運転可能。N-ONE RSのCVTには、マニュアル車のように擬似的に変速できるパドルシフトも装備されている。
- 駆動方式 (FF)
- FF(フロントエンジン・フロントドライブ):エンジンを車両前方に置き、前輪を駆動する方式。部品点数が少なく軽量化しやすいため、多くのコンパクトカーや軽自動車で採用されている。室内空間を広く取りやすいというメリットもある。
- 燃料消費率 (WLTCモード)
- クルマの燃費を表す国際的な試験方法。「市街地モード(WLTC-L)」「郊外モード(WLTC-M)」「高速道路モード(WLTC-H)」の3つの走行モードを組み合わせた燃費で、より実走行に近い数値と言われている。N-ONE RSのWLTCモード燃費は6MT、CVTともに21.0km/L。ターボエンジン搭載の軽自動車としては良好な数値と言えるだろう。(実際の燃費は運転の仕方や道路状況によって変わる点に注意)
- 最小回転半径
- ハンドルをいっぱいに切って旋回したときに、外側のタイヤが描く円の半径。この数値が小さいほど小回りが利き、狭い道でのUターンや駐車がしやすくなる。N-ONE RSの4.5mは、軽自動車の中でも特に小さい部類に入り、取り回しの良さが際立つ。
- 安全装備 (Honda SENSING)
- ホンダの先進安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」が多くのグレードで標準装備されている。衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリング、アダプティブクルーズコントロール(ACC:先行車追従機能付きクルーズコントロール)、車線維持支援システム(LKAS)など、様々な機能でドライバーをサポートする。
- ただし、N-ONE RSの6MT車ではACCが非対応となるなど、一部機能に違いがあるため、購入時は必ず確認しよう。また、年式やグレードによって装備内容が異なる場合がある。
- ホンダの先進安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」が多くのグレードで標準装備されている。衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリング、アダプティブクルーズコントロール(ACC:先行車追従機能付きクルーズコントロール)、車線維持支援システム(LKAS)など、様々な機能でドライバーをサポートする。
【レビューまとめ】N-ONE RSの評価は? ユーザーの声を集めてみた

ここからは、実際にN-ONE RSに乗っているユーザーや、試乗した自動車評論家たちのレビューをまとめて紹介する。良い点も気になる点も、包み隠さず見ていこう。
エクステリア(外観デザイン)
- 良い点
- 「N360を彷彿とさせる丸目のヘッドライトと台形のフォルムがとにかく可愛い。でもRS専用のブラックパーツ(フロントグリル、ドアミラー、ルーフなど)や15インチアルミホイールで引き締まって見え、スポーティーさも感じる絶妙なバランス。」(多くのレビューで見られる意見)
- 「他の軽自動車にはない、唯一無二の存在感。駐車場で見かけると嬉しくなる。」
- 「ボディカラーの選択肢も多く、自分好みの一台を選べるのが良い。」
- 気になる点
- 「デザインは好みが分かれるかもしれない。特にリアのデザインはもう少し遊び心があっても良かったかも。」
- 「見た目は可愛いが、価格を考えると高級感はそれなり。」
(解釈) N-ONE RSのデザインは、個性を重視するユーザーから高く評価されているようだ。特に初代N360を知る世代には懐かしさを、若い世代には新鮮さを感じさせるデザインと言えるだろう。RS専用パーツによるスポーティーな演出も好評だ。
インテリア(内装デザイン・質感)
- 良い点
- 「RS専用のプライムスムース&トリコットコンビシートはホールド性が良く、スポーティーな雰囲気を高めてくれる。」
- 「本革巻のステアリングホイールやシフトノブ(特にMT車)は握り心地が良い。」
- 「水平基調のインパネは視界が広く、スイッチ類の配置もシンプルで操作しやすい。」
- 「メーターは見やすく、中央のインフォメーションディスプレイも情報が豊富。」
- 気になる点
- 「質感は軽自動車としては頑張っている方だが、プラスチック感が否めない部分もある。」
- 「収納スペースはもう少し工夫が欲しい。特にドリンクホルダーの位置や数は改善の余地あり。」
- 「ナビはディーラーオプションだが、選択肢によっては高価になることも。」
(解釈) 内装は、機能性とスポーティーさを両立したデザインが評価されている。特にRS専用のシートやステアリングは、運転のモチベーションを高めてくれるだろう。一方で、質感や収納に関しては、価格帯を考えると物足りなさを感じるユーザーもいるようだ。
走行性能
- 加速感
- 「64馬力のターボエンジンは軽自動車とは思えないほどパワフル。特に中速域からの加速は気持ちよく、街乗りから高速道路までストレスなく走れる。」(多くのレビュー)
- 「CVTモデルでも十分速いが、6MTモデルはエンジンのおいしいところを自分で引き出して走れる楽しさがある。」
- ハンドリング
- 「背の高いデザインながら、カーブでの安定感は高い。ステアリング操作に対する反応もクイックで、運転していて楽しい。」
- 「RS専用サスペンションはしっかりしていて、ワインディングロードを走るのが面白い。」
- 「小回りが利くので、狭い道や駐車場での取り回しは抜群。」
- 乗り心地
- 「RS専用サスペンションはスポーティーな味付けなので、路面の凹凸を拾いやすく、やや硬めに感じる人もいるかもしれない。」
- 「長距離運転では、硬めの乗り心地が少し疲れるという意見も。」
- 「タイヤが15インチということもあり、ロードノイズはそれなりに感じる。」
- 6MTモデルの楽しさ
- 「S660譲りのショートストロークでカチッとしたシフトフィールは最高。操る楽しさを存分に味わえる。」(MT車ユーザーの多くが絶賛)
- 「クラッチも軽く、街中でも扱いやすい。MT初心者にもおすすめできる。」
- 「ヒール&トゥがしやすいペダル配置も良い。」(一部上級者の意見)
- CVTモデルの印象
- 「アクセルを踏み込んだ際のダイレクト感はMTに劣るものの、日常使いでは十分スムーズで力強い。」
- 「パドルシフトを使えば、ある程度のスポーツ走行も楽しめる。」
- 「Dレンジでのんびり走るのも快適。」
(解釈) 走行性能に関しては、多くのユーザーが高く評価している。特にターボエンジンによる動力性能と、RS専用チューニングによるハンドリングの良さが際立っているようだ。6MTモデルは、その操作感の良さから「運転好き」にはたまらない魅力を持っていると言えるだろう。ただし、スポーティーな足回りゆえの乗り心地の硬さは、好みが分かれるポイントかもしれない。
燃費性能
- カタログ燃費と実燃費
- 「カタログ燃費(WLTCモード21.0km/L)に対して、実燃費は街乗りで15~18km/L、高速道路で18~20km/L程度という声が多い。」
- 「運転の仕方(アクセルの踏み方、MT車ならシフトタイミングなど)によって大きく変わる。」
- 「ターボ車であることを考えると、まずまずの燃費性能ではないか。」
- ユーザーの声
- 「思ったより燃費が良いので満足している。」
- 「ついついアクセルを踏み込んでしまうので、燃費はあまり気にしていない(笑)」
- 「アイドリングストップ機能は付いているが、再始動時の振動が少し気になる。」
(解釈) 燃費性能は、ターボエンジン搭載車としては平均的なレベルと言えそうだ。運転の仕方によって変動するため、エコドライブを心がければカタログ値に近い数値を出すことも可能だろう。しかし、N-ONE RSのキャラクターを考えると、燃費よりも走りの楽しさを優先するユーザーが多いのかもしれない。
使い勝手・居住性
- 前席・後席の広さ
- 「前席は軽自動車とは思えないほど広く、ゆったりと座れる。シートの出来も良い。」
- 「後席は足元空間、頭上空間ともに大人でも座れるが、長距離移動には少し窮屈かもしれない。特に足元は前席のシートポジションに左右される。」
- 「4ドアなので後席へのアクセスはしやすい。」
- 荷室の広さ・シートアレンジ
- 「荷室は日常の買い物程度なら十分な広さ。ただし、開口部が高めで、重い荷物の積み下ろしは少し大変かも。」
- 「後席の背もたれを倒せばフラットに近い広い空間ができるので、大きな荷物も積める。」
- 「N-BOXのようなセンタータンクレイアウトではないため、シートアレンジの多彩さでは劣る。」
- 収納スペース
- 「グローブボックスやドアポケットなど、基本的な収納はあるが、もう少し気の利いた収納が欲しいという声も。」
(解釈) 前席の居住性は非常に高い評価を得ているが、後席の広さや荷室の使い勝手については、軽ハイトワゴン(N-BOXなど)と比較すると見劣りする部分があるのは否めない。あくまで「走りを楽しむためのパーソナルカー」としての側面が強いと言えるだろう。とはいえ、日常的な用途には十分対応できる実用性は備えている。
安全性能
- Honda SENSINGの評価
- 「最新の安全装備が標準で付いているのは安心感が高い。」
- 「ACC(アダプティブクルーズコントロール)は高速道路での疲労軽減に役立つ。」(CVT車)
- 「衝突被害軽減ブレーキのお世話にはなりたくないが、万が一の時の備えとして心強い。」
- ユーザーの声
- 「誤作動はほとんど経験したことがない。」
- 「6MT車でも主要な安全機能が付いているのは嬉しいが、ACCが非搭載なのは少し残念。」
- 「パーキングセンサーシステム(後方)が標準装備なのも地味に助かる。」
(解釈) Honda SENSINGの搭載により、安全性能は高いレベルにあると言える。特に衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などは、万が一の事故を防ぐ上で重要な役割を果たすだろう。CVT車ではACCも搭載され、長距離運転の負担を軽減してくれる。MT車でACCが非搭載となる点は、一部ユーザーにとってはマイナスポイントかもしれない。
【総まとめ】N-ONE RSの良い点・気になる点

ここまでの情報を整理して、N-ONE RSの良い点と気になる点をまとめてみよう。
N-ONE RSの良い点(事実とレビューに基づく)
- 個性的で愛着のわくデザイン:N360をモチーフにしたレトロモダンなスタイルに、RS専用のスポーティーな加飾が施されている。
- 軽快で力強い走行性能:64馬力のターボエンジンは街乗りから高速までパワフル。RS専用サスペンションによる安定したハンドリングも魅力。
- MT車を選べる楽しさ:S660譲りの6速MTは、操作感が抜群で運転する楽しさを存分に味わえる。
- 取り回しの良さ:最小回転半径4.5mと、軽自動車の中でも特に小回りが利き、狭い道でも安心。
- 充実した安全装備:Honda SENSINGが多くの機能でドライバーをサポート(MT車は一部機能制限あり)。
- 比較的良好な燃費性能:ターボ車でありながら、WLTCモード21.0km/Lという燃費を実現。
N-ONE RSの気になる点(事実とレビューに基づく)
- 車両価格が高め:軽自動車としては上位の価格帯(約200万円~)。同価格帯なら普通車のコンパクトカーも視野に入ってくる。
- 後席の居住性と積載性:前席は広々としているが、後席はやや手狭。荷室も日常使いには十分だが、広さを最優先するなら他の選択肢も。
- 乗り心地の硬さ:スポーティーな走行性能とのトレードオフで、路面の凹凸を拾いやすく、乗り心地が硬いと感じる人もいる。
- 一部グレードでの装備差:MT車ではACCが非搭載になるなど、トランスミッションによって装備に差がある。
N-ONE RSはこんな人におすすめ!

ここまでN-ONE RSについて詳しく見てきたが、一体どんな人にこのクルマは向いているのだろうか? 特に学生の皆さんに向けて、おすすめポイントを整理してみよう。
- 運転が好きな学生さん とにかく運転が好きで、クルマを自分の手足のように操る楽しさを味わいたいなら、N-ONE RS、特に6MTモデルは最高の相棒になるだろう。大学のキャンパスまでの道のりや、週末のドライブが格段に楽しくなるはずだ。
- 初めてのマイカーで個性的な一台を選びたい人 周りと同じようなクルマは嫌だ、自分らしい一台が欲しい、という学生さんにもN-ONE RSはぴったり。そのユニークなデザインは、友達からも注目されること間違いなし。
- MT車に乗りたいけど、維持費は抑えたい人 「MT車に乗ってみたいけど、スポーツカーは高くて手が出ないし、維持費も心配…」そんな悩みを抱える学生さんにとって、N-ONE RSは非常に現実的な選択肢だ。軽自動車なので、税金(軽自動車税)、自動車保険料、高速道路料金などが普通車に比べて安く抑えられる。燃費も比較的良いので、ガソリン代の負担も軽減できるだろう。
- クルマの基本を学びたい人 特にMT車は、エンジンの回転数やトルク特性を意識しながら運転する必要があるため、クルマのメカニズムや運転技術の基本を学ぶのに最適だ。N-ONE RSなら、その学びが苦にならず、むしろ楽しさに変わるはずだ。
もちろん、価格が軽自動車としては高めであることや、後席の広さなどは考慮すべき点だ。しかし、それを補って余りある「運転する楽しさ」と「所有する喜び」を与えてくれるクルマであることは間違いないだろう。
中古車でN-ONE RSを探す際の注意点

新車価格が少し高いと感じるなら、中古車でN-ONE RSを探すのも一つの手だ。ただし、いくつか注意点がある。
- 年式と走行距離:当然ながら新しい年式で走行距離が少ない方が状態は良い傾向にあるが、価格も高くなる。予算と状態のバランスを見極めよう。
- 修復歴の有無:事故などで骨格部分を修復した「修復歴あり」の車両は、価格が安い場合があるが、走行安定性などに問題を抱えている可能性もあるため、避けた方が無難だ。
- 6MTモデルの希少性:CVTモデルに比べて6MTモデルは流通量が少ない傾向にある。希望のボディカラーや状態の良いものを見つけるには、根気強く探す必要があるかもしれない。その分、リセールバリュー(売却時の価格)も期待できる可能性がある。
- 現行モデル(JG3型)か初代モデル(JG1/2型)か:現行モデルはプラットフォームが一新され、走行性能や安全性能が大幅に向上している。初代モデルにもRSは存在するが、設計が古いため、その点を理解した上で選ぶ必要がある。
中古車を探す際は、信頼できる販売店を選び、可能であれば試乗して状態を確かめることが重要だ。
まとめ:N-ONE RSは「運転の楽しさ」を教えてくれる特別な軽自動車

N-ONE RSは、ただの移動手段としてのクルマではなく、「運転する楽しさ」や「所有する喜び」を教えてくれる、特別な軽自動車だ。
そのレトロモダンなデザインは街中で個性を放ち、ひとたびアクセルを踏み込めば、ターボエンジンと軽快なハンドリングがドライバーをワクワクさせてくれる。特に6MTモデルは、クルマと対話し、自分の意のままに操るという、自動車本来の魅力を再発見させてくれるだろう。
確かに価格は軽自動車としては高めだし、後席の広さや積載性ではライバルに劣る部分もあるかもしれない。しかし、N-ONE RSには、それらのネガティブな要素を帳消しにするほどの「走りの魅力」が詰まっている。
もしあなたが、日々の移動を「楽しい時間」に変えたいと願うなら、そして、クルマとの濃密な関係を築きたいと考えるなら、N-ONE RSは間違いなく検討する価値のある一台だ。ぜひ一度、ディーラーで実車に触れ、試乗してみてほしい。きっと、その魅力の虜になるはずだ。
【専門用語解説コーナー】
この記事で出てきた専門用語を、改めて分かりやすく解説する。
- RS (ロードセーリング) ホンダのスポーティーグレードに付けられる名称。「Road Sailing」の略で、公道を帆船のように滑らかに、意のままに走る、という意味合いが込められていると言われる。
- 軽自動車 日本の自動車規格の一つ。排気量660cc以下、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下などの規定がある。税金や保険料が普通車に比べて安いのがメリット。
- ハッチバック ボディ形状の一つ。乗車空間と荷室が一体化しており、車体後部に跳ね上げ式または横開きのバックドア(ハッチ)を持つ。
- ターボエンジン (Turbocharger) エンジンの排気ガスのエネルギーを利用してタービン(羽根車)を回し、その力でコンプレッサー(圧縮機)を駆動して空気を圧縮し、通常よりも多くの空気をエンジン内部に送り込む装置。これにより、エンジンの排気量を変えずにパワーアップ(高出力化)を図ることができる。N-ONE RSのような軽自動車では、小さな排気量でも力強い加速を得るために有効な技術だ。
- メリット:小排気量でも大きなパワーとトルクを得られる。同じ出力の自然吸気エンジン(ターボが付いていないエンジン)に比べてエンジン自体を小型軽量化できる。
- デメリット:部品点数が増えるためコストが上がりやすい。アクセルを踏んでから過給効果が現れるまでにわずかな時間差(ターボラグ)が生じることがある(最近のターボ車ではかなり改善されている)。
- CVT (Continuously Variable Transmission:無段変速機) ギア(歯車)を使わずに、2つのプーリー(滑車)とその間にかかる金属ベルト(またはチェーン)の直径を連続的に変化させることで変速を行うトランスミッション。常に最適なエンジン回転数を保つことができるため、滑らかな加速と低燃費に貢献する。AT限定免許で運転可能。
- FF (Front engine, Front drive:フロントエンジン・フロントドライブ) エンジンを車両前方に搭載し、前輪を駆動する方式。室内空間を広く取りやすく、部品点数も比較的少ないため、多くの乗用車で採用されている。雪道など滑りやすい路面では、駆動輪である前輪にエンジンの重さがかかるため、比較的安定した発進が可能と言われる。
- 馬力 (PS:Pferdestärke / HP:Horsepower) エンジンの仕事率を表す単位。1馬力は「1秒間に75kgの物を1m持ち上げる力」に相当する。一般的に、馬力が大きいほど最高速度が高くなる傾向がある。
- トルク (N·m:ニュートンメートル / kgf·m:キログラムフォースメートル) エンジンが発生する回転力(軸をねじる力)のこと。自転車のペダルを漕ぐ力に例えられることが多い。トルクが大きいほど、発進時の加速力や登坂能力が高くなる。また、低い回転数で大きなトルクを発生するエンジンは、街中などでの扱いやすさに繋がる。
- サスペンション 車体とタイヤの間に取り付けられ、路面からの衝撃や振動を吸収し、乗り心地や操縦安定性を向上させる装置。N-ONE RSでは、前輪に「マクファーソンストラット式」、後輪に「トーションビーム式」という、軽自動車やコンパクトカーで一般的な形式が採用されている。
- ホイールベース (Wheelbase) 車両の前輪軸中心から後輪軸中心までの距離。一般的にホイールベースが長いほど、直進安定性が向上し、室内空間も広くなる傾向がある。逆に短いと小回りが利きやすくなる。
- トレッド (Tread) 左右のタイヤの中心間の距離。前輪トレッドと後輪トレッドがある。トレッドが広いほど、コーナリング時の安定性が高まる傾向がある。
- 最小回転半径 (Minimum Turning Radius) ハンドルをいっぱいに切った状態で旋回したときに、最も外側になるタイヤの中心が描く円の半径。この数値が小さいほど、Uターンや車庫入れなどの際に小回りが利く。
- Honda SENSING (ホンダセンシング) ホンダの予防安全技術パッケージの総称。ミリ波レーダーと単眼カメラを併用し、衝突被害軽減ブレーキ(CMBS)、誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリング、アダプティブクルーズコントロール(ACC)、車線維持支援システム(LKAS)など、多様な運転支援機能を提供する。
- WLTCモード燃費 国際的な燃費測定基準。「市街地モード(Low)」「郊外モード(Middle)」「高速道路モード(High)」の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成し、より実際の走行条件に近い燃費値を示すことを目指している。
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