2023年6月21日にフルモデルチェンジしたアルファード/ヴェルファイアはこれで4代目となる。
ミニバンの王者に君臨するアルファード/ヴェルファイアらしいデザインに仕上がっており、TOYOTAらしく失敗しない順当進化を遂げている。
大型ミニバンは押し出しが強いデザインじゃないと売れない。つまりは強面のフロントデザインじゃないと人気が出ないのだ。
昔、黒塗りセダンに乗っていた人も大型ミニバンに乗るようになったため、少し悪い顔をしているくらいがカッコイイということなのだろうが、なるほどと頷けるのがこのアルファード/ヴェルファイアである。
更に高級になり高級ミニバンから高級車へ
30アルファード/ヴェルファイアは350万円くらいから販売されていたが、40からはなんと540万円からの販売となる。100万円以上の価格アップとなるため、残価設定のローンを組んでも簡単に買うことは難しい価格となった。
もちろんただ単に高くなったわけではなく、オプションだった装備が標準化されていたりとなるほどと思える部分もあるが、それにしても高い。
新車の供給が難しいため、価格アップによって利益の確保と供給不足の対策をしてきた可能性が高い。売れないから利益が減るため、一台当たりの利益率を上げ、少ない販売数で利益に確保。そして多くの注文が来ないため、注文があっても売れないという状況を無くす。
TOYOTAにとってはこの価格アップはメリットが大きい。
そういった背景もあって今回のフルモデルチェンジによって価格が大幅にアップしているのだろう。
操作感はとても良くなった
箱形で重量が重たく車高も高いため、操作感がイマイチな印象なのがミニバン。
そこをなんとかしたいということで30からリアサスペンションをダブルウィッシュボーンに変更したアルファード/ヴェルファイアだが、40も同様にダブルウィッシュボーンとなっている。
よりダイレクト感が強くなり、剛性も感じられるほどよく曲がる。車高の高さと足回りの剛性不足からくる遅れがこの車からは感じられなかった。
驚くことにミニバン最大のデメリットを打ち消してきたようだ。
アルファード/ヴェルファイアは後部座席に座って寛ぐ車という印象が強いが、最近では独身の人で購入するため単なるファミリーカーでは無くなってきている。そういった客層に合わせて、より車としての出来を上げてきているのだろう。
運転する楽しみが生まれ、ドライバーの意図した動きを忠実に実行するこの新型は、運転にストレスを感じることがない。
要するに鈍くさい車では無くなっている。
より高級になった車内
もともとかなり高級になっていたアルファード/ヴェルファイアだが、この価格アップによって不満が生まれないように高級も増している。
この高級なインテリアはラウンジを彷彿とさせ、乗る人に優雅なひとときをもたらしてくれる。
ただ運転席や助手席が少し狭いのが気になった。
剛性アップや装備を考慮しての設計だと思うが、もう少しゆとりがあっても良いと思う。感覚的はセダンくらい広さで、ミニバンと考えるために狭く感じるだけだとは思う。
気になるところ
足が固い…
つまり乗り心地が悪い。たしかに操作感は良くなったのだが、足が固すぎて乗り心地が悪く快適性が良くない。
30はもう少し柔らかくストロークを感じる足回りだったが、操作性を重視するあまり快適性を犠牲にしてしまったようだ。これはゼロクラウンのときにもあったがTOYOTAは欧州車のような車作りを目指しているがあまりこうした結果となっているのだろうが、走行性能を求めないミニバンでこの突き上げ感は良くないのではと疑問に感じる。
走行性能は安全性能にもつながる重要な要素だが、それにしてももう少し何とかならなかったのかと思った。
リセールは期待できるため少々の無理はきく
高いうえに人気のある車種なのは相変わらずなのでリセールはすごくいい。
現時点では新車価格より高い中古車もあるため十分に元をとることが出来るが、今買って乗り換え時期に相殺できるくらいの金額で売れるかどうかはわからない。
ただ変わらず人気のあるアルファード/ヴェルファイアである以上、期待はできるが絶対ではないため注意してほしい。
特に無理した返済額でローンを組むときには注意が必要だ。
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